第143章 新たな希望

「面子を立てろ、だと?」

浅見朝治は、とんでもない冗談でも聞かされたみたいに鼻で笑った。

「……あいつ、忘れてんのか。まだ俺とは離婚してないって」

口にした瞬間、浅見朝治は自分の失言に気づく。

牧野晴へ視線をやった。

牧野晴の笑みは、きれいに固まっていた。

――覚えてるんだ。浅見朝治は、玉井彩歌とまだ離婚していないことを。

じゃあ、なぜ離婚しない?

「……朝治さん。今、会社のほうはどうですか?」

牧野晴は探るように、柔らかく切り出した。

浅見朝治に早く玉井彩歌と離婚してもらうために、牧野新に頭まで下げた。牧野家にとっても旨味のある提携を、わざわざ譲らせた。

それなのに、...

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