第149章 晴、謝れ!

玉井彩歌の顔から、笑みが音もなく消えた。

その場に、硬直する。

――お母さん……?

じゃあ、さっきから妙に親しみを覚えていたこの女性は、牧野晴の母親だったのか。

牧野晴が慌ただしく病室へ入ってくる。視線で室内をざっとなぞりながら、口を尖らせてぶつぶつ文句まで言う。

「もう、ママ何してるの。さっき特別病室のほう、探し回ったんだよ? どこにもいないから焦ったじゃん!」

ぷい、と小さく鼻を鳴らしてから、ようやく黙って脇に立つ玉井彩歌に気づく。

牧野晴の眉がぐっと寄った。目に宿るのは隠しもしない嫌悪。

「玉井彩歌? なんでここにいるの?」

「晴」

藤川園歌が遮る。咎めるような声だ...

ログインして続きを読む