第150章 他人の母

「彩歌! 来たよ! あの人、どうだった? え……顔色、めちゃくちゃ悪いけど。何かあったの?」

進藤雀は荷物を家に置くなり、息つく間もなく駆けつけてきた。

玉井彩歌の表情を見た瞬間、雀の顔がぱっと曇る。

彩歌は道端に立ったまま、うなだれていた。目は虚ろで、魂が抜けたみたいにぼんやりしている。

雀は彩歌の目の前で手をひらひらさせた。

「彩歌? 彩歌ってば!」

「……うん?」

彩歌はゆっくり瞬きをして、ようやく現実に戻ってくる。

雀の心配そうな視線に気づくと、反射的に首を振った。

「大丈夫」

「大丈夫なわけないでしょ! 何回呼んでも全然反応しなかったんだよ? ほんと、魂どっか行...

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