第19章 浅見お婆さんの寿宴

浅見家の誰からも連絡は来なかった。けれど進藤雀と鍋を食べ、街をぶらついているうちに、玉井彩歌はふらりと玉器店へ足を踏み入れていた。

心はとっくにずたずただった。それでも、浅見のおばあさまにだけはどうしても冷たくなれない。

高齢のおばあさまは細かなことにあまり口を出さない人だったが、あのとき彩歌の妊娠を知ると、浅見朝治に早く籍を入れるよう強く言ってくれたのは、ほかでもない彼女だった。

結局、朝治が激しく反対したせいで式は挙げられなかった。けれど、その気持ちだけは、彩歌も忘れていない。

彼女は自分の貯金で、しっとりと艶のある小さな玉仏をひとつ選んだ。壊れものでも扱うように丁寧に包み、袋へ...

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