第205章 子どものことしか気にしない

今回は返信があった。

浅見朝治は胸の奥がぱっと明るくなる。だが内容を読み取った瞬間、血が逆流した。

『着替えに行った。あとで俺から伝える』

玉井彩歌のスマホが、他人の手にある。

誰だ――?

脳裏に、日野弦羽の得意げな顔が一瞬で浮かんだ。

奥歯を噛みしめる。頬がひくひくと痙攣した。

「うぇ……うぇぇ……」

安がか細く泣く。

浅見朝治の意識が一気にそちらへ引き戻され、表情がふっと緩んだ。掠れた声で、必死に宥める。

「安、怖くない。パパがいる。パパがそばにいるから」

救急車はサイレンを響かせ、猛スピードで走り続けた。

浅見朝治は、苦しそうに顔をくしゃくしゃにする安を見つめる...

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