第222章 玉井家を救え

玉井彩歌は、ゆっくりと濁った息を吐き出した。

ぎゅっと目を閉じる。喉の奥がきしむように締まり、声が硬くなる。

「……少し時間をちょうだい。考える時間が欲しいの」

「うん」

日野弦羽は即答した。声はどこまでも柔らかい。

「大丈夫。彩歌が何を選んでも、俺は味方だよ」

玉井彩歌は上の空で短く返事をして、通話を切った。行き先も決めないまま、街をふらふらと歩く。

今の暮らしは、きっと十分に恵まれている。満足すべきなのかもしれない。

それでも――。

玉井彩歌は顔を上げ、澄み切った青空を見つめた。視界がじわりと滲む。

青い空は、彼女の夢そのものだった。

まだ答えを出せないまま歩いてい...

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