第227章 彼が与えられるものは俺にも与えられる

見知らぬ番号からの着信だった。

玉井彩歌は眉をひそめ、そのまま切った。

だが相手はすぐにかけ直してくる。彩歌が出るまで諦めない、とでも言わんばかりの勢いだ。

少し迷ってから、彩歌は通話を繋いだ。

「もしもし?」

返事はない。聞こえるのは、誰かの呼吸音だけ。

彩歌はさらに眉間を寄せ、もう一度言う。

「もしもし? 聞こえますか?」

「……俺だ」

受話口から、掠れた声が落ちてきた。

浅見朝治。

「今、日野・エアロスペースの下にいる。……少しだけ、会えないか?」

彩歌の瞳が、じわじわと冷えていく。

「浅見さん。私たち、もう会う必要はないと思います」

子どもは彼女のもとにい...

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