第228章 日野家の子どもはお前に養わせない

個室の中に、妙な沈黙が落ちた。

玉井彩歌は気づかれない程度に眉をひそめ、唇を動かす。けれど、口にしかけた言葉は結局飲み込んだ。

いまの浅見朝治の、卑屈なくらい縋りつく顔を見ていると――なぜだか、少しだけ……哀れに思えてしまう。

かつての自分も、同じだったじゃないか。

安に、たった一度でいいから会わせてほしいと、どれほど必死に願ったことか。

ひやりとした手が、ふいに温かな大きな手に包まれた。

玉井彩歌はぽかんと顔を上げる。

日野弦羽が「大丈夫だ」とでも言うように目で合図し、それから何でもないふうに口を開いた。

「うち日野の子は、他所に養ってもらう必要ないんで」

浅見朝治の顔が...

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