第23章 辞めろ

玉井彩歌はふらりと身体を揺らし、いっそう冷え込んでいくのを感じた。黙って掌をきゅっと握りしめる。

宇野章華が自分を快く思っていないことくらい、ずっと前から分かっていた。

けれど彼女は、いつだって体裁を重んじる人だった。嫌っていたとしても、ここまで露骨で、耳障りな言い方はしないはずだ。

それに宇野章華は、彼らと同居しているわけではない。毎週火曜に一度、浅見朝治のもとへ顔を出す程度だ。なのに、どうして自分がここ数日帰っていないことまで知っているのか。

そのとき、玉井彩歌はふと、少し離れた場所に立つ浅見朝日を見つけた。

腕を組み、得意げな顔で玉井彩歌を睨んでいる。目の奥には、あからさまな...

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