第33章 それなら仕事を辞めろ

玉井彩歌は最後の一枚の皿を洗い終えると、水栓をきゅっと閉めた。

手についた水を軽く振り払った、その瞬間。左の手のひらにずきりと鋭い痛みが走り、彼女はぎゅっと眉を寄せる。

キッチンを出ると、浅見健三も宇野章華も姿がなかった。もう本家へ戻ったのだろう。

リビングのソファには浅見朝日が座っていた。脚を組み、退屈しきった顔でスマホをいじっている。

物音に気づき、浅見朝日が顔を上げた。

その視線が、どこか疲れ切って少しみすぼらしく見える玉井彩歌の姿をとらえる。すぐに、ふん、と侮蔑まじりの鼻息を漏らした。

「終わったの? ずいぶん遅いじゃない」

玉井彩歌は挑発を受け流したまま、腰を支え、ソ...

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