第36章 トレンド

周囲では、観客たちが小さな声で合唱し、ペンライトを揺らしている。

けれど彼女の頭の中では、さっき大型スクリーンに映ったあの場面だけが、スライドショーみたいに何度も何度も再生されていた。

進藤雀はずっと玉井彩歌の顔色をうかがっていた。

青白い横顔。目の奥に沈む、言葉にならない寂しさ。

それを見た瞬間、胸の奥がきゅっと締まる。

「彩歌、帰ろ」

進藤雀は彩歌の耳元に顔を寄せ、周囲の音に負けないよう大きめに言った。

「ここ、うるさすぎ。空気も最悪」

玉井彩歌ははっと我に返り、小さく頷く。

「うん」

二人は人の流れに逆らい、早めに出口へ向かった。

先に出てしまえば、あの二人を避け...

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