第45章 否定しないのは黙認である

玉井彩歌の現状について、医師は入院して安静にし、妊娠を継続させる治療を受けるのが望ましいと言った。だが、帰宅して自宅で静養する選択肢もある、とも。

迷いに迷った末、玉井彩歌は家に戻ることを選んだ。

慌ただしく入院しても、身の回りを世話してくれる人間がいない。日野弦羽に、いつまでも甘えるわけにもいかなかった。

夜八時。

くたくたの身体を引きずり、玉井彩歌は邸の扉を押し開けた。

リビングの灯りがついている。

浅見朝治は、今日は珍しく二階の書斎にこもっていなかった。リビングのソファに座っている。

玄関の気配に男が顔を上げる。

視線が、いつもより白く、弱った玉井彩歌の顔に落ちた。

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