第51章 サインしてくれ

玉井彩歌は何も言わず、そのまま二階へ向かった。

あからさまに素っ気ない態度を見て、宇野章華はますます機嫌を悪くした。ひと言ふた言、文句をつけてやろうと口を開きかけた、そのとき――子どものほうから騒ぎが起きた。

「なに、この臭い。うんちしたんじゃない?」

それを聞くや、宇野章華はあわてて育児ヘルパーを呼び、オムツを替えさせようとした。

けれど赤ん坊は人見知りが激しく、育児ヘルパーが触れた途端、わあっと大泣きしてしまう。

結局、宇野章華が自分で替えるしかなかった。

玉井彩歌は階下のことには構わず、ベッドに横になって休んだ。

もともと体が丈夫ではない。病院で半月静養したとはいえ、まだ...

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