第52章 決然と去る

翌日――玉井彩歌が階下へ降りた途端、リビングの賑やかな声が耳に飛び込んできた。

浅見家の面々が円になって座り、赤ん坊の満月祝いの話で大盛り上がりしている。

浅見の祖父が湯呑みを置き、きっぱりと言った。

「本家でやるのがいいだろう」

だが浅見健三には、健三なりの算段があるらしい。

「いや、ホテルにしたほうがいい。規模も大きいし、呼べる人数も増える。俺たちそれぞれの親戚や知り合いだけでも結構いるし、仕事関係まで入れたら……本家じゃ入りきらないだろ」

それを聞くや、祖母が露骨に不機嫌になる。

「本家で入りきらないわけないでしょう。ホテルなんて、何がいいのよ……」

誰も彼もが好き勝手...

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