第57章 礼服

進藤雀が仕事を終えて帰宅し、テーブルの上に置かれた招待状を見た瞬間――怒りで、危うく机ごとひっくり返しそうになった。

「浅見家の連中、頭どうかしてんじゃないの?!」

招待状を指さし、全身を震わせる。

「あなたは安の実母だよ? それなのに招待状を送ってくるって、どういう神経!? 母親を「客」として呼びつけて、自分の息子の満月のお祝いに出席させるつもり? どこまで人をコケにすれば気が済むのよ。ひどすぎる!」

玉井彩歌はソファに腰を下ろしたまま、招待状に押された小さな足形を指先でなぞっていた。表情はどこか宙に浮いたようで、焦点が合っていない。

その様子に気づいた進藤雀は、嫌な予感が胸をよ...

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