第76章 利益を量る

小室鷹は、立花晃年の眉間に刻まれた深い皺を見て、今すぐ結論が出ないことを悟った。手元の別の書類をデスクの上に揃えて置き、余計な言葉は挟まずに静かに退室する。

――が、ほどなくして、またノックの音がした。

「……まだ何か?」

立花晃年が顔を上げると、小室鷹がどこか居心地悪そうな表情で立っていた。

「立花社長。先ほど……牧野グループの社長、牧野新からも連絡が入りました。今夜お時間があるなら、食事でも――と」

報告を聞いた瞬間、立花晃年はわずかに目を細め、次いで鼻で笑った。

航空物流に普段は首を突っ込まない牧野グループまで、わざわざ口を出してくるのか。

脳裏に、いつも浅見朝治の傍らに...

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