第78章 条件を出そう

カフェでしばらく話していると、玉井彩歌のスマホが震えた。進藤雀からの着信で、家に置き忘れた書類を会社まで届けてほしいという。

「じゃあ、私、先に行くね」

玉井彩歌は通話を切り、立花晃年に軽く会釈してからタクシーを拾い、足早に進藤雀のもとへ向かった。

立花晃年は彼女の背中を見送り、スマホを取り出して秘書に電話を入れようとした――そのとき。

背後から、甘ったるい声がかかる。

「立花さん?」

振り向くと、少し離れたところに牧野晴が立っていた。にこやかに笑いながら、こちらへ歩いてくる。

「やっぱり立花さんだった。偶然ですね。ここのコーヒー、お好きなんですか?」

妙に馴れ馴れしい口ぶり...

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