第90章 高空でこんなミスが許されるのか?

玉井彩歌は時間どおり、日野・エアロスペースへ出勤した。

自分のデスクに腰を下ろすなり、疲れたように眉間をそっと揉む。

「彩歌さん、昨日あんまり眠れなかったんですか? 顔色、すごく悪いですよ」

同僚が心配そうに声をかけてくる。

玉井彩歌は小さくうなずき、覇気のない声で返した。

「うん……あんまり眠れてなくて」

安のことが気がかりで、目を閉じても眠りが来ない。空が白みはじめてようやく、うとうととまどろんだ程度だ。

それでも夢の中には、安の小さな姿がいた。

頬を真っ赤にして、泣きすぎて嗄れた声で、悔しそうに問い詰めてくる。

「ママ、どうして会いに来てくれないの?」

「ママ、ぼく...

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