第94章 光栄です

「やっと来た! もうね、言いたいことが山ほどあってさ、聞いてよ! マジで! あり得なさすぎ!」

進藤雀は車に乗り込むなり、まだ腰を下ろす前から口が止まらなかった。

「うちの上司、ほんっと無理。私、ちゃんと説明したよ? それなのに、あいつ――」

さすがに喋り疲れたのか、雀は遠慮ゼロで水のボトルを一本取り、ぐいっと飲む。

立花晃年はルームミラー越しに彼女を一瞥し、穏やかな声で言った。

「そんなに愚痴があるわりに、ずいぶん元気そうだね」

雀は口元をひくりとさせ、薄幸そうな諦めを滲ませる。

「元気に見せるしかないじゃん! こっちはただの雇われだよ? 晃年みたいな大社長と違ってさ。私に会...

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