第167章 妊娠しているでしょう

小島麻央は振り返り、緊張した面持ちの平野裕司を見つめた。「なんだか、急に息が苦しくなって……」

「病院に連れて行く!」

「大丈夫、少し休めば治るから」

 小島麻央は傍らのソファへ行って腰を下ろした。

 平野裕司は彼女のためにぬるま湯を一杯注いで持ってくる。「水を飲んで」

「ありがとう」

 小島麻央は水を半分ほど飲むと、ソファに凭れてしばらく休んだ。不快感は次第に消えていく。

「麻央、疲れたのか?」平野裕司は眉をひそめる。「やっぱり病院で診てもらおう。じゃないと安心できない」

「もう大丈夫」小島麻央は言った。「たぶん、少し低血糖だっただけ」

「ホテルまで送るよ。休んだ方がいい...

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