第184章 邪魔しない

 まさか相手と顔を合わせるとは思わず、二人は足を止めた瞬間、揃って呆気に取られた。

 小島麻央は今日、黒の革ジャンと革パンツという出で立ちで、クールで颯爽とした印象を与える。

 黒く長い巻き髪が、妖艶な魅力を添えていた。

 今泉拓真は昨夜の抑えがたいキスを思い出し、ごくりと喉を鳴らした。

 しばしの沈黙。

 今泉拓真が先に口を開き、空気中の静寂を破った。「おばあ様の容体は?」

「熱はもう下がりました。ただ、体が弱っているので、さっき眠りについたところです」

 今泉拓真は頷く。「ご苦労」

 小島麻央は何も言わず、そのまま階下へ降りていった。

 彼女はキッチンで西原さんを見つけ...

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