第234章 あなたに会いたい

「どうして来ちゃいけないんだ?」今泉栄治は百合の花束を抱えている。「佐奈恵、俺たちは夫婦だ。俺がお前を見舞いに来るのは、ごく普通のことだろう」

「お前が百合の花を好きだったのを思い出してな。わざわざ買ってきたんだ。気に入ったか?」

今泉佐奈恵は呆然とした。「私が事故に遭ってから二十年以上、あなたが花を買ってきてくれたのは、これが初めて……」

「俺が悪かった」今泉栄治は百合の花をそばの花瓶に挿した。「お前が気に入ってくれるなら、これからは毎日買ってきてやる。いいだろう?」

今泉佐奈恵は気を取り直し、冷たく言った。「外に女がたくさんいて、忙しくて手が回らないくせに、どうして花を買って私に...

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