第263章 どうして私は離婚するのか

 市役所を出た時、小島麻央は終始呆然としていた。

「どうりで、あんたと婚姻届を出すってのに、今泉拓真がやけに落ち着いてるわけだ。なるほど、ここで俺を待ってたってことか」日野遥斗は吹っ切れたように笑った。「小島麻央、実を言うと、俺は嬉しいんだ」

「見ればわかるわ」小島麻央は我に返り、彼に視線を向けた。「あなた、少しも私と籍を入れたくなかったのね」

「ああ」日野遥斗は自嘲気味に笑う。「昔はこんな日が来るのを夢見てた。でも今は、俺に残された時間は少ない。あんたのことを考えなきゃならない」

「遥斗……」

「小島麻央、何も言わなくていい」日野遥斗は手を伸ばし、彼女の肩を掴んだ。「俺たちはこの...

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