第273章 今でもあなたはうちの妻

田村哲生弁護士は足を止めた。

小島麻央はその足音に気づき、すぐに振り返る。その絶世の美貌を湛えた小顔に、笑っているのかいないのか分からない表情を浮かべた。「お久しぶり」

田村哲生弁護士は長い脚を前に進める。「小島麻央、確かに久しぶりだな」

「田村弁護士もお変わりなく」

「お前、ずっと俺の名前を呼び捨てにしてただろ? どうしていきなりそんな他人行儀なんだ?」

「他人行儀なくらいがちょうどいいんです」小島麻央は腕を組み、笑いながら言った。「どうせ田村弁護士も私のこと、友達だなんて思ってないでしょうから」

「なんだよ、その言い草は」田村哲生弁護士は心外といった顔をする。「俺がお前を友達...

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