第276章 ずっと一緒にいてくれるよね

 だが次の瞬間、小島麻央は予知でもしたかのようにすっと顔を背けた。

 今泉拓真のキスは、彼女の頬に落ちる。

 エレベーターの中の空気は、凝固したように重苦しかった。

 距離が近すぎて、小島麻央には男の規則正しくも力強い心臓の鼓動と、乱れた呼吸音が聞こえてくる。

 チーン、と音が鳴った。

 エレベーターの扉が1階で開く。

 小島麻央は今泉拓真をきっぱりと突き放し、大股で歩き出した。

 これ以上彼と一緒にいれば、自分が抑えきれなくなるかもしれない。

 完全に、理性を失ってしまう……。

 ……

 病院への帰り道、二人は一言も口を利かなかった。

 病室に入るや否や、医師がすぐに...

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