第278章 あなたを愛している、あなただけを愛している

今泉拓真がはっとした。「俺を騙していないのか?」

「騙してない!」小島麻央は泣きながら言った。「騙してなんかない! 日野遥斗なんて愛してない! あなたを愛してる! あなただけを!」

今泉拓真が傷つくのを、黙って見てなどいられなかった!

今、自分の心は、このナイフが自分に突き刺さるよりも痛い!

自分の心に嘘はつけない!

今泉拓真はそこでようやく、ゆっくりと手を緩めた。

小島麻央の指先が震える。「動かないで。病院に連れて行くから!」

今泉拓真はナイフの柄を握り、それを引き抜いた。「大丈夫だ。傷は深くない」

「本当に馬鹿なんだから!」小島麻央は涙を流しながら、手を伸ばして彼の傷口を...

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