第323章 彼女は本当に私の妻なのか?

現場のあまりの人の多さに、小島麻央は押し合いへし合いしながら、先ほど今泉拓真を見かけた場所へとどうにか辿り着いた。

周囲は人、人、人。小島麻央は目を凝らして探したが、どこにも今泉拓真の姿はない。

感情が高ぶりすぎたせいか、小島麻央は急に目眩を覚え、息苦しさを感じた。

彼女は荒い息を吐きながら、震える手でポケットからスマートフォンを取り出し、電話をかけた。

「帝都ビルで拓真を見たの。すぐに防犯カメラの映像を確認して、彼を探し出して……」

『奥様、そんなはずはありません』内野浩史は信じられないといった様子で答えた。『見間違いではありませんか?』

「見間違えるはずがないわ。私が拓真を見...

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