第337章 キスしたことないわけじゃない

小島麻央は完全に呆然としていた!

我に返ると、すぐさま手を伸ばして男の胸を押し返そうとする。

しかし今泉拓真はそんな隙を与えなかった。片手で彼女の手首を掴むと、じりじりと距離を詰め、壁へと押し付ける。

それは彼にとってより侵略しやすい体勢だった。次の瞬間、小島麻央は自分の息が根こそぎ奪われるのを感じた。

生々しい、本物のキス。

小島麻央は呼吸が止まり、どう反応すべきかさえ忘れてしまう。

彼のテクニックは決して洗練されているとは言えないが、ひどく優しかった。

目を見開いたまま、目と鼻の先にある顔を見つめ、ただ意識が遠のいていく。

その甘い優しさに溺れそうになった矢先、突然の着信...

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