第345章 共に昏睡

「ええ、時間が決まったら教えてね」

「今夜はどうかな。うちにおいで、私が美味いものを振る舞うから。拓真君も誘って、久しぶりに家族でゆっくりしようじゃないか」

「わかったわ」小島麻央は頷いた。「じゃあ、今夜ね」

「ああ、待ってるよ」

小島麻央が立ち上がると、ソファにいるはずの男の姿が見当たらなかった。

ベッドから抜け出してバスルームで顔を洗い、外に出ると、書斎のデスクに向かって仕事をしている今泉拓真の姿があった。

麻央はふと足を止め、ほんの束の間、意識を遠のかせた。

その光景は、彼女を過去へと引き戻すかのようだった。今泉拓真がまだ記憶を失っていなかった、あの頃へ。

彼が記憶を取...

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