第362章 今泉拓真の愛人

宮崎彰宏は片方の眉を吊り上げた。「どういう意味だ?」

岡本心海は一言ずつはっきりと口にした。「心を連れて行きます。私たちの間には、何もなかったことにしてください」

「つまり、さっき言おうとしていたのは、心を連れて行くということだな」宮崎彰宏は冷たく鼻で笑い、忌々しげに彼女の顔から手を離した。視線を前に戻し、冷酷な声で告げる。「お前が出て行くのは絶対に止めない。だが、俺の娘を連れ去る資格がお前のどこにある……」

岡本心海は氷室に突き落とされたような寒気を感じた。「私が十月十日、お腹を痛めて産んだ子です。私が連れて行くのは当然でしょう」

「俺と子供を奪い合うだと? 身の程を知れ」宮崎彰宏...

ログインして続きを読む