第374章 彼女に近づけない

小島麻央はそこでようやく我に返り、振り向くと松野弘子が入ってくるのが見えた。

「おばちゃん」

松野弘子は微笑みながら声をかけた。

「麻央、お邪魔じゃなかったかしら」

「とんでもありません」

小島麻央は立ち上がって出迎えた。

「どうぞ、座ってください」

使用人はお茶を淹れ終えると、すぐさま部屋を後にした。

松野弘子は痛ましそうな眼差しを小島麻央に向けた。

「麻央、本当に大丈夫なの?」

「おばちゃん、心配しないでください。もう大丈夫ですから」

小島麻央は微かに口角を上げた。

「この結婚について、私と美佳のために勝ち取るべきものは努力して勝ち取ります。でも、彼がすでに私と美...

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