第375章 私はもう行く

宮崎彰宏は説明するように口を開いた。

「今泉拓真は怪我の療養中でな。当分は外出できないだろう」

小島麻央は淡く冷ややかな笑みを浮かべた。

「三木夕実に名分を与えたくてうずうずしていたのではありませんか? どうしてこのタイミングで急に療養が必要になったのでしょう」

「そこまでは俺も分からないな」

小島麻央は、それ以上この件にこだわることはなかった。

彼女にとって、今泉拓真はとうの昔に赤の他人となっていた。離婚が数日早まろうが遅れようが、もはや何の違いもない。

二人が別荘に戻ると、美佳が短い脚を一生懸命に動かして駆け寄ってきた。

「ママ!」

「美佳!」

小島麻央はしゃがみ込み...

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