第100章:アッシャー

まだ四十五分しか経っていない。

たった四十五分だ。

それなのに、白く塗りつぶされたこの待合室に、もう何時間も座らされている気がする。大切な人が無事かどうかの知らせを待つ時間は、ふつうとは違う――遅く、重い。吸い込む息のひとつひとつに、次の一秒が悪い知らせを連れてくるかもしれない不確かさに、時間そのものが押しつぶされているみたいだ。

向かいにはペニーの両親が座っている。ふたりの手はきつく結ばれたまま。母親は声も立てずに泣いている。父親は膝をせわしなく叩き続けていて、その速さはどう見ても平静じゃない、焦りの拍子だ。マダム・ロレットは十五分ほど前に現れてから、ひと言も発していない。背筋を固く伸...

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