第101章:アッシャー

最後に覚えているのは、床を見つめていたことだ。

まだら模様の、味気ないリノリウム。巾木の近くにある鈍い光沢の擦れた部分。跳ねるように小刻みに揺れている自分の膝の影。それを見続けていた。あのリズムが、何も感じないようにと催眠でもかけてくれればいいのに、とでもいうみたいに。

いま、肩に手が置かれている。やさしく。用心深く。相手は、私を驚かせないほうがいいとわかっている――そんな触れ方だ。

それでも、目はぱちりと開いた。

勢いよく起き上がる――勢いがありすぎた。部屋が一瞬にじみ、手が腰に飛ぶ。鈍い痛みが股関節から背骨へと伸びて、警告みたいに広がる。まばたきする。照明はさっきより落ちている。部...

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