チャプター 106: ペニー

家に帰ってきた。

ベッドの中。

柔らかな枕、洗いたてのシーツ、あたたかなランプの灯り――あの冷たい病室に閉じ込められていた間、恋しいと思っていたものが全部そろっている。

なのに、どれも正しく感じない。

さっき読書をしようとしたけれど、五ページ目で頭がガンガンしはじめた。映画も試した。集中できない。タイラーにメッセージを打つだけで頭蓋が脈打った。光が強すぎる。

彼とは、私が落ちて以来会っていない。病院にも来なかった。来られないと言った。怖くてたまらない、と。メッセージは来る。でも様子伺いみたいなものばかり。表面だけ。電話はない。「今から行く」もない。「会わなきゃ」もない。

今朝、両親...

ログインして続きを読む