第107話ペニー

またうとうとしてしまったらしい。

あの奇妙な、眠りと目覚めのあわい。手足の重みも、頭蓋の奥に鈍く残る痛みも、毛布がどうにも落ち着かない感じも、全部わかっているのに――疲れが勝って、身動きできない。

階下から声がふわりと上がってくる。

「やあ!」

「会議はどうだった?」

「恋人同士の小旅行はどうだった?」

「おお、坊主ども!また会えてうれしいぞ!」

目がかすかに開く。

部屋の明かりが落ちている。夕暮れが忍び寄り、部屋じゅうを柔らかな金色の影で満たしていた。

声が現実を連れてくる。

来たんだ。

ヘイズ家が。

階段を駆け上がる足音――速くて、聞き慣れた音。眠気を瞬きで追い払い、ドア...

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