チャプター 11: ペニー

スタジオのドアが背後で、からん、と柔らかい音を立てて閉まる。その響きが人気のない歩道にすうっと流れていく。夜の外へ踏み出しながら、重たい鍵を手から滑らせてパーカーのポケットに押し込み、冷えた空気が火照った肌の上を、待っていたとも知らない波みたいに洗い流した。

遅い。

正直に言えば、遅すぎるくらいだ。

バッグを肩の上へ引き上げ、首をくるりと回して最後のアドレナリンを振り払う。スピーカーが沈黙してからもう三十分は経つのに、かすかな音楽の余韻がまだ耳の奥で鳴っている。

練習は……うまくいった。

思っていたより。

ここ一週間のことを考えたら、うまくいっていいはずがないくらい、うまくいった。...

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