チャプター 126: ペニー

歩くたび、胸元のメダルがかすかに鳴る。ブーツの下で雪がぎゅっぎゅっと潰れ、冷たさと笑いで頬が赤く火照っていた。

パン屋は、あるべき姿のままだ――あたたかく、黄金色で、光っている。灯りを絡めた小さな山小屋みたいな建物。窓は湯気で曇り、曲がった煙突からはバニラとシナモンの匂いが漂ってくる。

アッシャーがドアを押さえてくれる。中へ入った瞬間、凍っていた鼻先がほどけていくのがわかった。

砂糖とスパイスの匂い。バレエのシーズン中は食べちゃいけないものの匂いが、全部。

だからこそ、私はまっすぐショーケースへ向かった。

私たちは「毒」を選ぶ――私はサクサクのラズベリークロワッサンと、本物のホイップ...

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