第158章:アッシャー

ベッドの縁に腰かけ、彼女に背を向けている。握りしめた拳を、ほどいてはまた握り、顎に力が入りすぎて歯が砕けそうだ。呼吸を整えようとする。心拍を落とそうとする。だが、さっき彼女が俺を見た目――触れたときに身体が跳ねたこと――指がむきだしの太腿をすべるように上がった瞬間、息が詰まったこと――それ以外の何かを考えようとしても、無理だった。

自分を抑え込もうとしている。

責任あるほうでいようとしている。

そのとき、背後から彼女の声がした。柔らかくて、震えている。

「取り返しのつかないことをして」

固まる。

鼓動が耳の奥に叩きつけられるのがわかる。全身が強張り、筋肉が一本残らず凍りつく。聞き間...

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