第171章:アッシャー

タイヤの下で道路がうなりを上げる。一定の低い音が、車内の静けさに溶けてぼやけていく。

助手席ではペニーが体を丸めて眠っている。窓にそっと頬を預け、まつげが扇のように頬に広がっていた。腕は胸のところに抱き込み、片膝を引き寄せている。着ているパーカーは俺のだ――彼女には大きすぎて、飲み込まれてしまっている。袖口から覗いているのは指先だけだ。

……穏やかだ。

この数日で彼女がくぐり抜けてきたこと――いや、この数か月のことすべてを思えば、こんなふうに静かなペニーを見たのは初めてだ。肩に居座っていた緊張も、指先の不安も、そわそわと落ち着かなかった癖も、ようやくほどけたみたいに見える。

それが、俺...

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