チャプター 172: ペニー

それは、腹の底でごろごろと鳴る音から始まった。

雷じゃない。新たに降ってわいた厄介ごとでもない。

ただ……私のお腹だった。

「お腹すいた。たぶん飢えてる」助手席から小さく言い、アッシャーのパーカーにくるまった。まるで重みのある毛布みたいに。脚を折りたたんで体の下にしまい、髪はぐしゃぐしゃ、身体はまだ半分眠っている。道中の前半はずっと寝てしまって、悪いことをしたなと思ったけれど、目が覚めたときにはマックスとアッシャーがフットボールの話の真っ最中で、その二人が案外うまくやっているのを見て、思わず笑ってしまった。

後部座席からマックスがすぐに身を乗り出した。「いいところがあるんだ」まるで救い...

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