チャプター 173: ペニー

気まずい。

頭に浮かぶ言葉は、それしかない。

いや、取り消そう。

気まずいっていうのは、誰かの名前をど忘れしたとか、こっちに手を振ってない相手に手を振り返しちゃったとか、そういうやつだ。これは? これは……その何十倍も、何百倍も、ひどい。

始まりは一時間くらい前。マックスを降ろしたあと、アッシャーがうちの車寄せに車をつけたときだった。

私は、ただ降りて、さよならを言って、胸の奥に静かで整理のつかない失恋を抱えたまま家に消えるつもりだった。なのに両親は、別の予定を組んでいたらしい。まるで私が助手席で失血死しかけてるみたいに、家から飛び出してきた。

「大丈夫? 何があったの? また転ん...

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