第178章:ペニー

そうだ。覚えている。彼が初めて私を誘ったときのことを。フットボールの試合のあとだった。まさにここ、体育館の外。

空は紫がかった柔らかな色で、吐く息は白い雲になった。彼はあの片方だけつり上がる笑みと、いつだって揺るがない自信を携えて近づいてきて、花束みたいにホットチョコレートを差し出した。思ったのだ――これだ。私の高校の恋物語。

それがこんなふうになるなんて、思いもしなかった。

「やめて……」私はささやく。腕を鎧みたいに抱え込んだまま。

「なにをだ?」彼は噛みつくように言い、両腕を投げ出す。「おまえのために闘うことか? 壊れたものを直そうとすることか?」

「なにを――直すっていうの?」...

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