第207章:アッシャー

バーには、葬儀のあとにいつもまとわりつく、低くて落ち着かない気配がぶんぶんと渦巻いている。

これはパーティーじゃない。誰も大声で笑ったりしない。今夜は音楽もない。いつもの金曜のくだらねえやつも。あるのは、グラスの鈍い触れ合う音、歪んだ木床をこするスツールの擦過音、そして誰かが杯を掲げるたび、ブーツが床を踏む乾いた足音がときおり混じるだけだ。

「亡くなった仲間に」

カウンターの近くで、誰かがぼそりと呟く。

その言葉が部屋を伝って反響する。

ルースターは来なかった。

責める気にはなれない。あいつは死のあと、黙り込む。最初は怒って、それから沈黙する。前にも見た。短い「行けない。悪い。」っ...

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