チャプター 211: アッシャー

ペニーが裏口のほうへ消えた瞬間、喧騒が薄れる。

――いや、違う。部屋の中じゃない。

俺の中で、だ。

大事なものはすべて、ブーマーと一緒にあの裏口の向こうへ出ていく。もしあのクソどもが一人でも彼女のあとを追ったら、神に誓って、この場所を血で塗り替えてやる。

ハゲタカどもが、今や店内に広がりはじめている。腐敗みたいに。肘をテーブルに乗せ、他人の椅子にブーツを投げ出して。涼しい顔を作ってる。涼しすぎるくらいに。

それが、なおさら胸糞悪い。

俺はバーへ戻る。途中でカーターと目が合う。

「連中を構えさせろ」俺は低い声で言う。

カーターは一度だけうなずくと、部屋の反対側へすっと流れていった...

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