チャプター 212: アッシャー

ブーマーの住んでいる建物は新しくて、背が高く、ガラス張りだ――監視カメラばかり増えて、肝心の警備は足りていない。東側のコンドミニアムのタワー、四階。来客用の区画に斜めに突っ込むように停め、すぐにはエンジンも切らない。

スマホを確認する。

ブーマー:

ドア、開けといた。入ってきて。

もうヘトヘトだ。

……ふざけるな。

さっきも、そうするなと送ったばかりだ。俺が来るまで待て、施錠しろ、と。だが返事はない。

エンジンを切り、階段を二段飛ばしで駆け上がる。四階に着くと、まっすぐ四一七号室へ向かい、ドアノブを試した。

開いている。言ったとおりだ。

奥歯が噛み締められる。

押し開けると、...

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