チャプター 224: ペニー

私は、着替えない。

したほうがいいのかもしれない。タイツもレオタードも、舞台の軽い衣装の層も脱いでしまうべきなのに、そうしない。柔らかな灰色のスウェットパンツをタイツの上からぐいっと引き上げ、アンクルブーツを履き、絹みたいなトップスの上に薄手のジャケットを羽織って、それで今夜は終わりにする。気温は穏やかだ。寒くない。静か。

バッグをまとめ、楽屋を最後にひと目だけ振り返る。まだアドレナリンがぶんぶん鳴っているみたいだ。まだ何もかもがいっぱいすぎる。花と化粧品と、温かな照明の匂い。外へ出る前にアッシャーへメッセージを打つ。

『歩いて帰るね。十五分で着く。』

返事はほとんど即座に来た。

『...

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