第225章:ペニー

扉が爆発みたいな勢いで叩き開けられる。

そして、アッシャーがそこをくぐって入ってくる。

いや、入ってくるなんて生易しいものじゃない。忍び寄る。獲物を追う獣みたいに。

黒い影そのもので、動きの端々に、ぞっとするほどの怪物めいたものが滲んでいる。悪夢でさえ逃げ出したくなる類いの――けれど、その視線が私に落ちた瞬間、見えてしまった。

一瞬の揺らぎ。

怒りでも、暴力でもない。

剥き出しの何か。砕け散る寸前みたいな、ぎりぎりの何か。

だがそれは、氷の津波みたいな冷たさに呑み込まれて消える。

彼は叫ばない。唸りもしない。

けれど、その声は――死そのものだった。

「彼女から離れろ」

私...

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