第233章:ブーマー

彼女に「出かけない?」なんて聞かない。

言い渡すんだ。

俺が威張りたいからじゃない――少なくとも、彼女に対しては。彼女には必要だとわかっているからだ。必要なのは、普通の時間。病院の空気とアドレナリンみたいな味のしない何か。だから、優しく、でも譲らずに伝える。着替える時間も与える。そして彼女が、ぶかぶかのフーディーにレギンスという格好で俺の部屋から出てきた瞬間――昨夜は眠っていたはずなのに、眠れなかったみたいな顔をしていて――胸の奥がきゅっと捻れる。

俺じゃないはずなのに。

でも、今だけは――俺なんだ。

歩く間、ほとんど言葉はない。ほんの数ブロック先、前から気になっていた店へ向かう。薄...

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