第257話:ブーマー

こんなふうに彼女を見つめてはいけない。

なのに、見る。いつも。毎回。

今だってそうだ。スタジオの廊下、蛍光灯がじじじと唸る下で、稽古上がりの熱が頬を赤く染め、薄絹みたいな衣装が夢の切れ端みたいに片方の肩からずり落ちて――俺は見てしまう。いつだってそうだ。

ペニー。

ルールを知っているとか、そんなことは関係ない。彼女が別の誰かを愛していることも。俺が一線を越えないことも。越えられないことも。

彼女は……大聖堂で息を止めたときの静けさみたいだ。ステンドグラスを透けて落ちる光みたいだ。壊れると分かっていても守りたくなる秘密みたいだ。

俺はミラに会いに来たふりをする。

そして実際、会いに...

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